デザイン学専攻 教員紹介

准教授照井 亮TERUI RYO
Philosophy of Narrative Environments

研究キーワード「Narrative Environments」「Design Philosophy」「Visual Actantiality」「Participatory Design」

Democratisation of design process - デザインプロセスの民主化都市再生の文脈における空間正義(Spatial Justice)と市民とのエンゲージメントを通しデザイン実践の民主化に焦点を当てています。Narrative environmentsのデザインの原理から派生した参加型デザインの方法論であるActantialityにより、都市環境を人間や非人間の行為者が相互に関連し、そのすべてが主体性を持つダイナミックな場として理解することを可能にするための実践とセオリーを展開しています。2006年以降、イギリス・ロンドン、エジプト・アレクサンドリア、日本・北海道にて、幅広い層の市民や参加者が、愛着、歴史、日常的な慣習、地理的条件、存在する力関係、そしてそれらが表現される物語と意識という観点から、地域を再定義することからはじまり、ビジュアルな手法を用いて行為性の意図をすべての参加者が共有し、パブリック・エンゲージメントの強化を目指してきました。

この方法論ではデザイナーの社会的役割における潜在的に矛盾した価値についても議論しています。今日のデザイナーは複雑化する社会課題と向き合う必要があり、様々なステークホルダー間を取り持つメディエイター的な役割を担っている一方で、環境・社会・倫理・政治的な視点を無視することは難しく、デザイナーは否応なしにアクティビスト的なスタンスと向き合う必要があるのではないかと考えています。

ことなる行為者(ステークホルダー)の視点や意図を展開/分析するためのActantial diagram