ロンドン芸術大学ダブル・ディグリー・プログラム Global Collaborative Design Practice

2024年01月 25日

京都工芸繊維大学(KIT)とロンドン芸術大学(UAL)が共同で提供するダブルディグリーの修士課程プログラムです。プログラム修了時に、KITからは工学の、UALからは芸術学の修士号が授与されます。→English


GCDPとは?







Global Collaborative Design Practice(GCDP)は、世界におけるデザインとその位置づけについての見解を持つ学際的なコースです。

Global(グローバル):このコースでは、不平等、気候、環境、移民など、世界的に重要な課題に取り組むことが奨励されます。このような課題について、単に大規模で抽象的なものとしてだけではなく、地域に生じる課題や地域に根差した視点としても扱うことができるようになります。また、日本とイギリスでの生活や学習を通して、グローバル(世界)とローカル(地域)の相互関係を身をもって経験します。全世界6大陸から学生を募集しますので、国際色豊かです。講師陣も、さまざまな国で生活し働いた経験を持っています。

Collaboration(コラボレーション):このコースは、デザインの専門家だけでなく、行政やNPO、資本(個人/国際/企業)、教育機関、文化事業、各種専門家、一般市民など、様々なステークホルダーとコラボレーションして協働することを目的としています。日常での授業はもちろんのこと、大がかりなデザイン・プロジェクトでも、クラスメイトから外部の関係者まで、様々な人々とのコラボレーションを念頭に活動します。

Design(デザイン): このコースにおけるデザインとは、作品としての成果ではなく、プロトタイプのテスト、修正、再テストを繰り返しから生まれる成果に向かって取り組むプロセスのことを指します。学生たちは、小規模で具体的なものから大規模で無形なものまで、さまざまなスケールやタイプのプロジェクトを行うことにより、プロセスを繰り返し、時には反復を行うイテラティブ・プロセスとしてのデザインを学びます。

Practice(プラクティス): プラクティスは、アイデアや行動以上のものであり、現実の問題に取り組み、明白な変化をもたらすという実践を意味します。授業を通して教室の外部で大がかりなプロジェクトを定義し、遂行できるよう、学生を育成します。


GCDPコースの特徴




• 9月から始まる2年間のコースです。4月からデザイン学専攻に入る学生は2年半の在学期間となります。
• フルタイムのコースです。フルタイムの就労との両立は困難です。
• このコースで指定するカリキュラムが修了に必要なすべての単位となります。
• KITでは、博士前期課程デザイン学専攻の1コースです。
• UALでは、Camberwell College of Artsの修士課程コースです。
• 授業は「ユニット」と呼ばれ、すべてのユニットはKITとUALの教員が英語で指導します。
• 1年目はKITとUALの両方で学びます。まず各自の本籍大学で約2ヶ月、それから全員がUALで約4ヶ月、最後にKITで約4ヶ月を過ごします。通常、2年目は各自の本籍大学で過ごします。
• 学生はすべてのユニットをKITかUALどちらかで対面で受講します。教員は対面またはリモートのどちらかで指導します。
• 学生はKITとUALの両方にフルタイムで在籍します。授業料は各自の本籍大学(GCDPへ申請した大学)にのみ支払います。


カリキュラム









1年次  
ユニット1 グローバル&コラボレーション(UAL担当)
文化を超えた、コラボレーションを伴う実践の鍵となるテーマを紹介します。リサーチ、フィールドワーク、クリティカルシンキング、問題の明確化、プロトタイピングの基礎を学び、後のユニットでの実践に備えます。

ユニット2  制作とデザイン (KIT担当)
デジタル・プロトタイピングとファブリケーションの入門です。後のユニットでの実習に備えます。

ユニット3 デザインとプラクティス (UAL担当)
デザイン実践者、プロジェクト関係者、プロジェクト受益者の間でのアイデアや対話を共有し発展させるためにマッピング、ビジュアライゼーション、デザイン・プロトタイピングを用います。グローバルとローカル両方の視点で問題に介入します。

ユニット4 社会とデザイン (KIT担当)
社会科学系学問とデザイン学が相互に交わる分野に焦点を当て知識と方法を提供します。社会的意義がありかつ責任ある方法でデザインするということについて批判的に考え、行動することを学びます。

ユニット5 コラボレーションとデザイン (KIT担当)
公共、民間、または非営利組織とのコラボレーションによるプロジェクトに取り組みます。このユニットは、地元の学生との学際的なチームワークを試す場です。

2年次
ユニット6 修士デザインプロジェクト (KITとUALの共同担当)
学生自身の視点から定義された社会問題に対応するため、教員の指導のもと綿密なプロジェクトに取り組みます。プロジェクトを補完するものとして、取り組むべき社会課題の明文化、調査(フィールドワーク実習やコ・デザインの手法、エスノグラフィーを含む)、試作デザインの3つのパートがあります。

ユニット7 普及と創発 (KIT担当)
学生は、2年間にわたる作品に使用した多様なデザインの手法を発表します。共同実践の最前線に存在する外部のコミュニティやステークホルダー、ネットワークと関わるような、対面、リモートまたはハイブリッドな集団的イベントを通して、発表を行います。

ユニット8 普及と計画 (UAL担当)
学生は己の実践を支える価値感を定義し、作品を発信します。自分の実践を問いただし、その後の就職、研究・企業助成金、進学、コンペティションや受賞、イベントへの貢献、パネリストへの関与や出版物への参加といった社会的活動に役立つように準備します。




応募方法


(以下は、KITを通じてGCDPに出願する方のための情報です。
UALを通じての出願を希望の方は、UALのウェブサイトを参照してください)



4月入学ご検討の方 <一般、社会人、外国人学生の入試種別を問いません>
• 4月に大学院博士前期課程デザイン学専攻に入学した後、GCDPが開始される9月までの期間は、第1クォーターと第2クォーターのデザイン学専攻提供の授業を履修することができます。
※この間のGCDPと相乗りしている一部授業については履修を控えていただいています。
• 入学から修了までの期間は最短で2年半となり、秋修了になります。
• 入試に関するスケジュール: https://www.kit.ac.jp/test_index/gs_news/sche...
• 出願にはTOEIC公式認定証の提出が必要です。(有効期限:出願期間最終日から2年以内/募集要項に定めた条件を満たす方は提出が不要の場合があります。)
※出願にかかる詳細は必ず募集要項にてご確認ください。

9月入学ご検討の方 <一般、社会人、外国人学生の入試種別を問いません>
• 入学と同時にGCDPに参加します。
• 入学から修了までの期間は最短で2年です。秋修了になります。
• 大学院博士前期課程デザイン学専攻の以下のいずれかの入学試験に出願してください。
 ・一般入試(秋入学、DDコースのみ)
 ・社会人特別入試(秋入学)
 ・外国人留学生特別入試(秋入学)
• 入試に関するスケジュール: https://www.kit.ac.jp/test_index/gs_news/sche...
• 出願にはTOEIC公式認定証の提出が必要です。(有効期限:出願期間最終日から2年以内/募集要項に定めた条件を満たす方は提出が不要の場合があります。)
※出願にかかる詳細は必ず募集要項にてご確認ください。

すでにデザイン学専攻に入学されている方
• 大学院博士前期課程デザイン学専攻に入学されている方を対象に、学内募集を行います。
• 4月に学内募集を行います。合格された方は、9月からGCDPに参加します。
• 学籍上は現在の所属コースからDDコースへの転コースとなり、主任指導教員もGCDP担当教員への変更となります。
• 4月入学の場合は、入学から修了までの期間は最短で2年半となり、秋修了になります。
• 募集要項と申請書はこちらのページからダウンロードしてください。


GCDPに向いているのは?


• 社会や環境における差し迫った地球規模の課題に取り組みたい方
• 分野を超え、文化を超え、人々と協働したい方
• 本コースに関連する経験や関心を持つ社会人の方
• デザイン経験は問いません

学生への支援


ビザ
日本国籍の方:初年度の英国での就学期間中、日本国籍の方はビザ(Standard Visitor Visa)は必要ありませんが、その資格要件を満たしている必要があります。
日本国籍以外の方:KITでの就学期間は、日本の在留資格が必要です。UALでの就学期間は、国籍によっては英国のビザ(Standard Visitor Visa)が必要です。
詳しくはこちらを参照ください。

宿泊施設
外国人留学生の方は、空き室があれば国際交流会館(まりこうじ会館)に入居できる場合があります。入居に当たっては条件等があります。詳細は次のリンクを参照:
https://www.kit.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2...
https://www.kit.ac.jp/en/facilities-services/...

経済的支援
日本国籍の方はUALへの留学期間中の奨学金として、JASSO海外留学支援制度奨学金に応募できます。詳細は次のリンクを参照:
https://www.kit.ac.jp/international_index/stu...


問い合わせ先


KIT コースリーダー: (andrewli[at]kit.ac.jp)
出願について(外部の方):KIT入試課大学院入試係(innyushi[at]kit.ac.jp)
出願について(本学大学院在籍の方):KIT国際課国際交流係(kokusai[at]jim.kit.ac.jp)
奨学金、ビザ、在留資格について:KIT国際課留学生係 (ses[at]jim.kit.ac.jp)
宿泊について:KIT国際課総務係 (techleader[at]jim.kit.ac.jp)


関連サイト

KIT博士前期修士課程デザイン学専攻
https://www.kit.ac.jp/en/academic-programs/ma...
UAL MA グローバル
https://www.arts.ac.uk/subjects/communication...


2024年1月25日